【娯楽】狙われた南アルプス　パチスロ人気機種　不正被害相次ぐ

　「体感機」と呼ばれる電子機器を使ってパチスロの当たり確率を不正に高め、
メダルを盗む事件が、昨年秋から相次いでいる。狙われたのは南アルプス市の
パチンコ店に設置されている「ヨシムネＳ」という人気機種。不正をしている人たちの間で
「山梨の南アルプス市のパチンコ店なら、体感機がばれずに大当たりが出る」との
うわさが流れたためとみられ、すでに３人が逮捕・起訴されている。（道丸摩耶）

　県内でこれまでに、建造物侵入や窃盗などの罪で甲府地検に起訴されたのは、
大阪や埼玉などに住む男４人。１人は約２時間で約３０００枚（６万７０００円相当）を
盗んだ。全員が甲府地裁で懲役１年６月、執行猶予３年の判決を受けた。

　このうち３人は南アルプス市内の同じ店で「ヨシムネＳ」を狙って体感機を
使用していた。あとの１人は甲府市内の店で使用した。

　地検の調べでは、男らはパチスロ仲間や体感機の入手先などから、
「南アルプス市の××という店は、体感機を使ってもばれない」という
情報を聞きつけ、大阪や埼玉などから同店を訪れたという。

　業界団体の「全日本遊技事業協同組合連合会」によると、パチスロ機で体感機を
使った例は、昨年、全国で１８１件報告されている。特に関係者の間で「ヨシムネＳ」は
狙われやすいとされている。マシンに組み込まれている当たり周期を変えれば、
体感機は使えなくなるが、マシンの改造は法律で禁止されていてできない。

　こうした犯罪に手を染める者の多くは、「ゴト師」と呼ばれる“不正のプロ”が
多かったが、最近はゴト師らから体感機を購入した一般客の摘発が目立っている。
体感機はインターネットだけでなく、パチンコ店の駐車場でも売られ、使い方や
狙いやすい店の情報も一緒に渡されるという。当初は１５０万円程度で取引されていたが、
最近では“大量生産”の効果で５－１０万円に値下がりし、一般客の使用も増えたようだ。

　こうした一般のパチスロファンによる犯罪の取り締まりは、年々厳しくなっている。
平成１５年１月、宇都宮地検はメダルの不正取得に初めて窃盗罪を適用し、
その流れが全国に広がった。

　県内でも昨年１２月、体感機を使ってメダルを不正に盗んだとして、男２人が初めて、
甲府地検に窃盗罪で起訴された。このうち１人が、南ア市内の店での犯行だった。

　地検では、メーカーに協力を求めて、押収した体感機をパチスロ台の前に置き、
極めて高い確率で当たりが出ることを確かめたうえで、起訴に踏み切ったという。

　店側も自衛策に懸命だ。今回、県外の“体感機ユーザー”から狙われた南ア市の
パチンコ店店長は、「不正による被害はどこの店でも後を絶たない。当店はスタッフの
数が少ないので、狙いやすく見えるのでしょう」と分析。しかし、「パチスロ機を重点的に
見回っているほか、警報機も設置した。不正への対策が厳しいからこそ、
当店で捕まったのだと思います」と述べ、万全の対策を取っていると強調した。

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　体感機　スロットマシンは「乱数生成電子回路」が内臓され、一定の周期で
「大当たり」を出す仕組みだが、体感機はこれと同じ周期で発信する回路を持つ
電子機器。腹部に巻きつけるなどし、大当たりの前に使用者の体に装着した
改造済みの肩こり用の低周波治療器などに信号を送り、体への反応で当たりの
タイミングを教える。使用者はメダル数枚が出てくる「小役」や「ボーナス」などの
当たりが出たときに、体感機をスロットマシンと同じ周期にセットする。台に細工する
必要がなく、誰でも使えるため発覚しにくい。

引用元：産経新聞
http://www.sankei.co.jp/edit/kenban/yamanashi/html/kiji01.html

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